本記事の紹介
📌【ビットコインに関する国会答弁と課税の取扱い(2015年)】
― 国税庁が示した税制の立場とは? ―
2015年5月19日、第189回国会・参議院財政金融委員会にて、大久保勉議員による**「ビットコインの法的位置付けと課税の取扱い」**に関する質問が行われました。これに対し、麻生太郎大臣および当局が用意した答弁資料をもとに、ビットコインに対する当時の政府のスタンスが明らかになっています。
💡注目ポイント:
- ビットコインは**「法定通貨」には該当しない**
- 譲渡時の利益については所得税・法人税の課税対象
- 譲渡自体は消費税の課税対象(※その後、2017年に非課税化)
- 課税の実態については、資料収集や税務調査等を通じて対応中と説明
さらに、同年および前年(平成26年)には、大久保議員による質問主意書と政府答弁書も提出されており、当時の政府の情報収集体制や法令解釈、金融機関による取り扱いの是非など、幅広い観点から議論が行われました。
🔍【参考資料あり】
答弁書や国税庁の内部決裁資料など、当時の国会答弁・対応の一次資料も公開しています。暗号資産に関する税制の変遷や、法的位置付けの過渡期における行政の考え方を知る上で非常に貴重な資料です。
平成27年5月19日第189回国会・参議院財政金融委員会のやりとり
平成27(2015)年5月19日の第189回国会・参議院財政金融委員会において、大久保勉議員は、次のような質問を行いました。
「ビットコインは通貨として考えているのか、もし通貨でなかった場合は税務上どうなるのか、また金融機関がビットコインを扱うことができるのか。この点に関して、麻生大臣並びに必要があれば政府参考人に質問したいと思います。」
これに対して、麻生太郎内閣府特命担当大臣(金融)は、次のとおり、答弁しました。
「法定通貨というのは、もう御存じのように、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律がございまして、これによって貨幣及び日本銀行券のみとされておりますので、したがって、お尋ねのようなビットコインは法定通貨ではありません。これははっきりいたしております。
これを前提に、課税上の取扱いについて一般論として申し上げさせていただければ、ビットコインの譲渡というものは、これは消費税法上の資産の譲渡等に該当するということになろうと思いますので、消費税の課税の対象となります。また、ビットコインの譲渡により、キャピタルゲイン、いわゆる譲渡利益が出た場合は、当然のこととして所得税又は法人税課税の対象となります。
いずれにいたしましても、国税当局におきましては、これは個々の具体的な事実関係に基づいて判断することとなっておりまして、これは意見の大勢がまだまだ確定するところまで至っているとは申し上げられませんけれども、いろんな意味で、今まだ情報収集等々にこれはかなり追われている、潰れたりしているところもありますし、極めて難しいところかなと思っております。」
上記の麻生大臣の答弁は、基本的には、当局が用意したものでしょう。
それでは、当局はどのような資料を用意していたのでしょうか。以下では、当局が、大久保議員の質問に対して用意していた税金に関する答弁の内容を確認していきます。
- Qビットコイン(仮想通貨)の課税に関して、日本政府はいつ最初に公式見解を示しましたか?
- A
少なくとも平成26(2014)年3月に参議院議員大久保勉氏のビットコインに関する質問主意書に対する政府答弁書が作成されており、これが日本政府によるビットコイン課税の初期の公式見解の一つです。その後、平成27(2015)年5月の参議院財政金融委員会でも国会質問と政府答弁が行われ、課税の考え方が示されました。
- Q2015年当時、ビットコインの課税は実際にできていたのですか?
- A
2015年の国会審議では、「課税の対象となるといいながら、課税できていないとしたら問題ではないか」という指摘が国会議員からなされています。税制上は雑所得として課税対象とされていましたが、実態としての捕捉・課税の実効性については当時から課題があったことが国会答弁からも読み取れます。
- Qこの記事ではどのような資料を確認できますか?
- A
平成27年5月の参議院財政金融委員会での国会質問に対する当局の答弁準備資料、および平成26年3月の参議院議員質問に対する政府答弁書(2通)を確認できます。日本の仮想通貨税制の原点となる当局の考え方・課税根拠・実務上の課題を立法当初の資料から理解できます。

