国税庁への照会の背景:米国ビットコインETFの分離課税問題

弊所が、日本の居住者の方から委任を受けて、国税庁に照会していた「米国ビットコインETFを譲渡した場合の所得は分離課税になるか」という案件について、2024年12月5日に、(国税局を経由して)国税庁から、「分離課税の対象となる」という口頭回答をいただきました(文書回答の要件を満たさないものの、口頭回答をしていただいたものです)。

口頭回答の内容と暗号資産税制への影響

日本に住んでいる個人の方が、米国のビットコインETFを購入し、売却した場合の所得が分離課税の対象として認められる場合には、国内でビットコインを購入する場合と比較して納税者に有利となりますし、現物の暗号資産に投資した場合との中立性や公平性も問題になります。日本における暗号資産の分離課税の議論にも影響があるかもしれません。

口頭回答の要旨はこちらの記事をご覧ください。

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まとめ:米国ビットコインETF譲渡所得の分離課税と国税庁照会のポイント

  • 2024年12月5日、泉絢也税理士事務所が国税庁に照会していた「日本の居住者が米国ビットコインETFを譲渡した場合の所得は分離課税になるか」という案件について、国税庁から「分離課税の対象となる」との口頭回答を得た。
  • 文書回答の要件を満たさなかったため、口頭回答として提供されたものである(口頭回答のため非公表)。
  • 米国ビットコインETFの売却益が分離課税の対象となる場合、現物の暗号資産(総合課税・最高55%)と比べて納税者に有利となる可能性がある。
  • 現物暗号資産との課税の中立性・公平性の問題、および日本における暗号資産の分離課税議論にも影響があり得る。
  • 国税庁への照会や暗号資産の課税関係の相談はお問い合わせフォームから受け付けている。

よくある質問(FAQ)

Q. 国税庁から取得した回答の内容は何ですか?

A. 「日本の居住者が米国ビットコインETFを譲渡した場合の所得は分離課税の対象となる」という口頭回答を2024年12月5日に国税庁(国税局を経由)から得ました。文書回答の要件を満たさなかったため口頭回答となっています。

Q. 口頭回答と文書回答はどう違いますか?

A. 文書回答手続は一定の要件を満たす場合に国税当局が文書で公式回答を行うものです。本件は文書回答の要件を満たさなかったため口頭回答となりました。口頭回答は原則として非公表であり、文書回答に比べると法的な拘束力は弱いとされています。

Q. 米国ビットコインETFが分離課税になると何が変わりますか?

A. 現行では現物の暗号資産の売却益は総合課税(最高55%)が適用されますが、ETFが分離課税(20%)の対象となる場合、同じビットコインへの投資でも課税方法が異なることになります。これは国内でビットコインを直接購入する場合と比べて納税者に有利となる可能性があり、現物暗号資産との中立性・公平性の問題も生じます。

Q. この照会結果は日本の暗号資産税制にどんな影響がありますか?

A. 記事では、日本における暗号資産の分離課税の議論にも影響があるかもしれないと指摘しています。ETFへの投資が分離課税となる一方で現物暗号資産が総合課税のままであれば、課税の公平性・中立性の観点から税制の見直し議論が加速する可能性があります。

Q. 国税庁への照会を依頼するにはどうすればよいですか?

A. 泉絢也税理士事務所では国税庁への照会サポートを行っています。暗号資産・NFTなど新規性・複雑性の高い取引の税務照会をお考えの方は、お問い合わせフォームからご相談ください。