以下は、照会者が、暗号資産貸借取引にオプション取引に関する特約を付した場合における課税関係(支払調書の提出義務)について照会したものの、東京国税局が、照会者に対し、取引等に係る税務上の取扱い等が、法令、法令解釈通達あるいは過去に公表された質疑事例等において明らかになっているものに係る事前照会でないことを満たしておらず、文書回答の対象となる事前照会には該当しないと判断したものです。
ただし、「照会者は、本件サービスに係る取引につい、て、所得税法第225条《支払調書及び支払通知書》第1項第13号に規定する支払(差金等決済)に関する調書の提出義務を負わないと解してよいか。」という照会に対して、東京国税局は、「所得税法第225条第1項第13号に規定する支払(差金等決済)に関する調書の提出義務を負わない」と口頭回答しているようです。
以下は、照会資料からの抜粋です。情報公開請求で入手した資料に黒塗りが多く、照会内容の全容はわかりません。
検討
居住者が国内において行った店頭デリバティブ取引の決済に係る当該店頭デリバティブ取引の相手方である金融商品取引業者(金融商品取引法第28条第1項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)の営業所の長は、一定の定めに従い、当該決済に関する調書を当該決済の確定した日の属する年の翌年1月31日までに税務署長に提出しなければならないとされている (所法224の5①四、六、②二、225①十三)。
上記の「店頭デリパティブ取引の決済」とは、金融商品取引法第2条第22項に規定する店頭デリバティブ取引に係る決済で同条第24項に規定する金融商品の受渡しが行われることとなる以外のものをいうとされており(所法224の5①六、②二)、当該金融商品には、資金決済法第2条第5項1項に規定する暗号資産が含まれるとされている(金商法2⑭三の二)。
したがって、照会者は、本件サー.ビスに係る取引について、所得税法第225条第1項第13号に規定する支払(差金等決済)に関する調書の提出義務を負わない。
結論等
(1)
照会者は、本件サービスに係る取引について、所得税法第225条第1項第13号に規定する支払(差
金等決済)に関する調書の提出義務を負わない。
(2)文書回答の可否
本照会は、法令等において税務上の取扱い等が明らかとなっており、平成14年6月28日付課審1-14ほか8課共同「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)の1に定める文書回答を行う対象となる事前照会の要件(7)(取引等に係る税務上の取扱い等が、法令、法令解釈通達あるいは過去に公表された質疑事例等において明らかになっているものに係る事前照会でないこと)を満たしておらず、文書回答の対象となる事前照会には該当しないことから、照会者に対して「文書回答の対象となる事前照会に当たらない旨のお知らせ(通知)」を通知する。