ウクライナから避難して日本に滞在する方々への支援について、国税庁が「ウクライナ避難民に係る課税関係について(事務連絡)」を令和4年8月1日付で発出しました。
この事務連絡では、政府や日本財団から支給される生活費・住宅提供などの支援が所得税法上、非課税として扱われることが明示されています。
以下、国税庁「ウクライナ避難民に係る課税関係について(事務連絡)」の抜粋です。
令和4年8月1日
各国税局(所)法人課税課
源泉所得税担当課長補佐殿
国税庁法人課税課
企画専門官
ウクライナ避難民に係る課税関係について(事務連絡)
標題のことについては、令和4年7月29日に、出入国在留管理庁から地方公共団体に対し、下記1のとおり事務連絡(以下「本事務連絡」という。)及びQ&A(以下「本Q&A」という。)が発出されていることから、情報として別添を送付するとともに、ウクライナ避難民に係る課税関係の照会に対する留意事項を下記2のとおり連絡します。
記
1 本事務連絡及び本Q&Aの要旨
本事務連絡及び本Q&Aは、ウクライナ避難民に対して政府(又は日本財団)から支給される生活贄等及び受入れ団体とのマッチング後に各地方公共団体や企業から提供される住居(公営住宅等)について非課税と取り扱うことを連絡したものです。
なお、本Q&Aの注書において、ウクライナ避難民が就労することによって得る所得の取扱いについては、避難民を雇用している企業等を通じて、その企業等の納税地を管轄する税務署へ問い合わせるよう案内しています。
2 留意事項
ウクライナ避難民に係る課税関係の照会については、統一的な回答とする必要があるだけでなく、事例を集積する必要もあることなどから、照会の回答を了する前に速やかに庁法人課税課(瀕泉所得税国際係)へ連絡をお願いします。
(参考)1 ウクライナ避難民を雇用している企業等が従業員であるウクライナ避難民に対し、「一時的な期間」支給する経済的利益(住宅等の支援)については、所得税法施行令第三十条第三号に規定する「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金」として非課税となる。
2 ウクライナ避難民は、日本国内に住所(生活の本拠)を有するとして、居住者として取り扱って差し支えない。
【別添1:事務連絡】
事務連絡
令和4年7月2 9日
都道府県多文化共生施策担当部局長 殿
政令指定都市多文化共生施策担当部局長 殿
出入国在留管理庁
出入国管理部出入国管理課長
ウクライナ避難民に支給する生活費等に対する課税関係について
平素から出入国在留管理行政に御理解 御協力を賜りありがとうございます。政府では、ウクライナから戦禍を逃れて日本に避難してきたウクライナ避難民の方々に生活費等の支給を行っているところ、これら政府による支援の内容やマッチング後に各地方公共団体や企業から提供される住居(公営住宅等)について、出入 国在留管理庁から国税庁へ照会の上、課税関係について確認を行った結果、下記の支援内容については、非課税となる旨の回答がありましたのでお知らせいたします。
本件については、避難民の方々へも当庁から手紙での情報提供を行っていること から、別添のとおり発送した手紙の内容についても御参考までに送付いたします。また、公益財団法人日本財団による支援内容についても、政府の支援内容と同様に、非課税となることを国税庁に確認しておりますので、その旨申し添えます。 おって、都道府県多文化共生施策担当部局におかれましては、管内市区町村(特別区を含む。)への周知につきましても併せてお願い申し上げます。
記
1 対象者
国が確保した一時滞在施設に入所している者及び出入国在留管理庁から提示された受入れ団体とのマッチングを経て同施設を退所した者(他から同様の支援金等の支給がある者を除く。)。
2 非課税対象となる支援内容
出入国在留管理庁から委託を受けた公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部(以下「RHQ」という。)が支給する生活費をはじめとする以下の支援。なお、対象となる期間は一時滞在施設への入所日から出国した日まで(当面最長1 8 0日間)を予定※。
(1)生活費
| 一時滞在施設入所中:1 2歳以上 | 日額 | 1,000円 |
| 1 1歳以下 | 日額 | 500円 |
| 一時滞在施設退所後:1 2歳以上 | 日額 | 2,400円(2人目以降1,600円) |
| 1 1歳以下 | 日額 | 1,200円 |
(2)退所時一時金:1 6歳以上 160,000円
1 5歳以下 80,000円
(3)RHQが支給する次の費用等
医療費、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、海外渡航支援費(いずれも実費相当額)
一時滞在施設入所中の食市(現物給付)
(4)住居の提供
マッチング前:一時滞在施設(政府が提供)
マッチング後:各地方公共団体や企業が提供する住居(公営住宅等)
※ 今後、政府による支援期間が延長されるなど、卜記支援内容に変更があった場合には、改めて出入国在留管理庁から国税庁へ照会のヒ課税関係について確認を行う予定としている。
〔参考〕公益財団法人日本財団の支援内容(国税庁に非課税となることを確認したもの)
・生活費(1人あたり年額 1,000,000円(Iこ限1世帯年額3,000,000円))住環境整備費(1戸あたり500,000円)
・渡航費(実費又は航空券手配を代行(1:限1人あたり300,000円))公益財団法人日本財団ホームページ:
添付物
命が危ないためウクライナから日本に来た皆様へ(令和4年7月2 9 日付け)

【別添2: Q&A】
【参考】
ウクライナ避難民に係る課税関係について(Q&A)
政府(又は日本財団)からの生活費等の支援金について、避難民が所得税等の税金を負担する必要がありますか。
ウクライナ避難民が支給を受ける政府(又は日本財団)からの支援金については、支援の性質やその財産を取得するにいたった経緯に鑑み、課税されませんので、避難民の方が税金を負担する必要はありません。
(政府や日本財団が支援する内容については非課税となるとのことだが).都道府県や市区町村、企業等がウクライナ避難民に支援している支援金や支援物資については、課税の対象となりますか。
支援金や支援物資の税制上の取扱いについては、その支援内容(金額、目的等)を踏まえて、判断されると承知しております。
支援金や支援物資の税制上の取扱いに関しては、管轄する税務署へお問い合わせください。
政府から生活費等の支援を受けているウクライナ避難民の方が、マッチングを経て(一時滞在施設を出て)、企業から寮の提供を受けることになりましたが、避難民の方が所得税等の税金を負担する必要がありますか。
政府から生活費等の支援を受けているウクライナ避難民の方が、一時滞在施設を出て、地方自治体や企業等に受け入れられた場合に、その地方自治体や企業等から住宅や寮の提供を受けたとしても、その経済的な利益(住宅や寮の提供を受けたこと)については課税されず、避難民の方が税金を負担する必要がないことを国税庁に確認しています。
(注)勤務先である企業等から受ける給料、賃金、賞与などの所得については、課税対象となっております。
ウクライナ避難民の方が企業等に就労することによって得る所得の税制上の取扱いに関しては、避難民の方を雇用している企業等を通じて、その企業等の納税地を所管する税務署へお問い合わせください。
