本裁決は、非上場株式(取引相場のない株式)の評価と税務調査手続の適法性という、実務的に重要度の高い二つの側面が争われた事例です。
まず株式評価では、評価会社の直前期末の数値に基づき計算する際、「直前期末より後、相続開始日より前」に支払った固定資産税等を負債に含めるかどうかが争われました。審判所は、仮決算を行う場合とのバランスを考慮し、納税通知書の発付時期にかかわらず負債に含めて計算するのが合理的であるとの判断を下しました。これは、納税者にとって有利な判断基準の明確化といえます。
一方で、請求人は「調査官が『名義株は黙認するから他を修正してほしい』と発言した。これは重大な違法だ」と主張しましたが、審判所は、仮に発言があっても「調査を全く欠くのに等しい重大な違法」には当たらないとして退けました。
株式評価における「資産と負債の対応関係」の考え方を再確認するとともに、調査手続の瑕疵が処分の取消しに繋がるハードルの高さを示した重要な裁決です。
国税不服審判所ホームページの裁決要旨
請求人らは、調査担当職員は、相続税に係る調査(本件調査)において、株式の一部が名義株に当たる旨及び株式の評価額に誤りがある旨を指摘した上で、前者は黙認するので後者について修正申告して欲しいとの各発言をしているところ、税務調査において職員は、調査終了後に更正すべき事項を納税者に示し、その際修正申告を勧奨することができるが、非違を発見した場合はこれを黙認する権限を有しないから、当該各発言のような行為は違法であり、本件調査に係る手続に原処分を取り消すべき違法がある旨主張する。
しかしながら、当該各発言の存否は明らかでないものの、仮に、調査担当職員からそのような発言があったとしても、税務調査の過程において問題点を指摘する際のやりとりにすぎず、調査を全く欠くのに等しいとの評価を受けるような重大な違法に当たるとはいえず、本件調査において、調査担当職員の課税処分の基礎となる証拠資料の収集手続に重大な違法があるとは認められない。(令6. 7. 5 東裁(諸)令6-8)
原処分庁は、請求人らが相続により取得した取引相場のない株式(本件株式)の1株当たりの純資産価額の計算において、1株当たりの純資産価額を本件株式に係る評価会社(本件評価会社)の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合には、本件評価会社が直前期末より後で課税時期(相続開始日)より前に支払った固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)の税額は、相続開始日において支払済のため負債に含まれない旨主張する。
しかしながら、評価会社が直前期末より後かつ相続開始日より前に固定資産税等を支払い、評価会社が相続開始日において仮決算を行っている場合には、相続開始日における資産の額は直前期末の資産である現金預金の額から、固定資産税等の税額に相当する分が減少し、これに基づいて1株当たりの純資産価額の計算が行われることになるのに対し、直前期末の資産の額は、固定資産税等の税額に相当する分が減少していないことに鑑みると、1株当たりの純資産価額を評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合に、直前期末において未払の固定資産税等の税額を負債に含めて計算しないと、仮決算を行って計算する場合と均衡を欠くことになる。また、賦課期日がその年の1月1日である固定資産税等について、本件評価会社が納税通知書の発付を受けたのは直前期末後であるため、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債として計上されていないが、仮に、納税通知書の発付が直前期末以前であり、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債としての記載があれば、当然に負債に含まれることになるのであるから、固定資産税等の税額について、納税通知書の発付の日によって負債として取り扱うか否かが異なるのは相当ではない。以上によれば、本件評価会社が直前期末にあった固定資産税等の税額は、本件株式の1株当たりの純資産価額の計算上、負債に含めて計算するのが合理的である。(令6. 7. 5 東裁(諸)令6-8)
事案の概要
本件は、請求人らが、相続により取得した取引相場のない株式(以下「本件株式」という。)の1株当たりの純資産価額の計算において、当該株式に係る評価会社の有する前渡金債権等の金額の一部が財産評価基本通達205《貸付金債権等の元本価額の範囲》に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するとして、その一部の金額を元本の価額に算入せずに評価し、また、固定資産税等の税額を負債として取り扱った上で相続税の申告をしたところ、原処分庁が、これらはいずれも通達の定めに該当しないとして更正処分等を行ったことから、その取消しを求めた事案である。
あわせて、請求人らは、本件調査に係る手続において、調査担当職員の言動等に違法があるとして、手続上の瑕疵も争った。
関係法令等
イ 相続税法第22条《評価の原則》は、同法第3章で特別の定めのあるものを除くほか、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定している。
ロ 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。ただし、令和3年6月23日付課評2-43ほかによる改正前のものをいい、以下「評価通達」という。) 185《純資産価額》は、評価通達179《取引相場のない株式の評価の原則》の「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」(以下「1株当たりの純資産価額」という。)は、課税時期における各資産を評価通達に定めるところにより評価した価額の合計額から課税時期における各負債の金額の合計額及び評価通達186-2《評価差額に対する法人税額等に相当する金額》により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除した金額を課税時期における発行済株式数で除して計算した金額とする旨定めている。
ハ 評価通達186《純資産価額計算上の負債》の(2)は、評価通達185の課税時期における1株当たりの純資産価額の計算を行う場合には、課税時期以前に賦課期日のあった固定資産税の税額のうち、課税時期において未払いの金額は負債に含まれることに留意する旨定めている。
二 評価通達204《貸付金債権の評価》は、貸付金、一売掛金、未収入金、預貯金以外の預け金、仮払金、その他これらに類するもの(以下「貸付金債権等」という。)の価額は、次に掲げる元本の価額と利息の価額との合計額によって評価する旨定めている。
(イ)貸付金債権等の元本の価額は、その返済されるべき金額
(ロ) 貸付金債権等に係る利息の価額は、課税時期現在の既経過利息として支払を受けるべき金額
ホ 評価通達205は、評価通達204の定めにより貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない旨定めている。
(イ)債務者について次に掲げる事実が発生している場合におけるその債務者に対して有する貸付金債権等の金額(その金額のうち、質権及び抵当権によって担保されている部分の金額を除く。) (評価通達205の(1))
A 手形交換所(これに準ずる機関を含む。)において取引停止処分を受けたとき
B 会社更生法の規定による更生手続開始の決定があったとき
C 民事再生法の規定による再生手続開始の決定があったとき
D 会社法の規定による特別清算開始の命令があったとき
E 破産法の規定による破産手続開始の決定があったとき
F 業況不振のため又はその営む事業について重大な損失を受けたため、その
事業を廃止し又は6か月以上休業しているとき
(ロ) 更生計画認可の決定、再生計画認可の決定、特別清算に係る協定の認可の決定又は法律の定める整理手続によらないいわゆる債権者集会の協議により、債権の切捨て、棚上げ、年賦償還等の決定があった場合において、これらの決定のあった日現在におけるその債務者に対して有する債権のうち、その決定により切り捨てられる部分の債権の金額及び次に掲げる金額(評価通達205の(2))
A 弁済までの据匿期間が決定後5年を超える場合におけるその債権の金額
B 年賦債還等の決定により割賦弁済されることとなった債権の金額のうち、課税時期後5年を経過した日後に弁済されることとなる部分の金額
(ハ)当事者間の契約により債権の切捨て、棚上げ、年賦償還等が行われた場合において、それが金融機関のあっせんに基づくものであるなど真正に成立したものと惚めるものであるときにおけるその債権の金額のうち上記(ロ)に掲げる金額に準ずる金額(評価通達205の(3))
ヘ 相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について(平成2年12月27日付直評23ほか。ただし、令和3年6月23日付課評2-45ほかによる改正前のものをいい、以下「明細書通達」という。)の「取引相場のない株式(出資)の評価明細書の記載方法等」の「第5表1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の2の(4)は、1株当たりの純資産価額の計算は、課税時期における各資産及び各負債の金額によることとしているが、評価会社が課税時期において仮決算を行っていないため、課税時期における資産及び負債の金額が明確でない場合において、直前期末から課税時期までの間に資産及び負債について著しく増減がないため評価額の計算に影響が少ないと認められるときは、課税時期における各資産及び各負債の金額は、①「相続税評価額」襴については、直前期末の資産及び負債の課税時期の相続税評価額により、②「帳簿価額」欄については、直前期末の資産及び負債の帳簿価額により計算し
ても差し支えない旨、また、(注) 1の(2)として、上記の①及び②の場合において、帳簿に負債としての記載がない場合であっても、直前期末日以前に賦課期日のあった固定資産税及び都市計画税(以下、固定資産税及び都市計画税を併せて「固定資産税等」という。)の税額のうち、未払いとなっている金額は、負債と
して取り扱うことに留意する旨定めている
基礎事実
相続関係
被相続人は、???日に死亡し、本件相続が開始した。共同相続人は、配偶者、長女、長男、二女及び二男の計5名である。
被相続人は、相続開始日において、本件評価会社の株式57,000株を保有しており、本件相続により、その一部が請求人らに帰属した。
本件評価会社及び本件子会社
本件評価会社は、光学レンズの卸売業を営む同族会社であり、代表取締役は請求人の一人である。
本件評価会社の令和元年6月1日から令和2年5月31日までの事業年度(以下「令和2年5月期」という。)末における発行済株式数及び本件相続開始日における発行済株式数は、いずれも60,000株であつた。
本件評価会社の令和2年5月期の貸借対照表の資産の部には、「前渡金」として113,883, 426円、「未収入金」として5,847,889円が計上されている。
なお、上記の前渡金113,883,426円の全て、及び上記の未収入金5,847,889円のうち4,264,079円は、本件評価会社の子会社である???( 以下「本件子会社」という。)に対するものである(以下、本件評価会社の本件子会社に対する上記の前渡金を「本件前渡金」、本件評価会社の本件子会社に対する上記の未収入金を「本件末収入金」といい、本件前渡金と本件未収入金を併せて「本件各債権」という。また、本件子会社の本件前渡金に係る債務を「本件前受金」といい、本件子会社の本件未収入金に係る債務を「本件未払金」という。)。
本件評価会社は、令和2年1月1日を賦課期日として令和2年度固定資産税等(以下「本件固定資産税等」という。)???の納税義務を課され、同年6月1日付で納税通知書の発付を受けた後、同月26日にこれを納付した。
なお、本件固定資産税等の税額は、本件評価会社の令和2 年5 月期の貸借対照表及び勘定科目内訳明細書に負債として計上されていない。
本件子会社は、光学レンズの製造業及び販売業を営む同族会社であり、売上の大部分は本件評価会社向けであった。
争点
争点1:本件調査に係る手続に取消事由となる違法があるか
争点2:本件各債権の一部が回収不能又は著しく困難と認められるか(本件各債権の金額の一部が、本件相続開始日において、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するか否か)
争点3:本件株式の1株当たりの純資産価額の計算上、固定資産税等の税額は負債に含まれるか(本件株式の1株当たりの純資産価額を本件評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合において、本件固定資産税等の税額は負債に含まれるか否か)
審判所の判断
争点1:調査手続の適法性
通則法上、調査手続に単なる違法があるだけでは、直ちに課税処分の取消事由とはならず、調査を全く欠く場合又は証拠収集手続に重大な違法があり、調査を全く欠くのに等しいと評価される場合に限られる。
本件では、事前通知の実施、書類提示の求め、説明及び修正申告の勧奨などが行われており、調査を全く欠くのに等しいと評価される場合には当たらない。
争点2:本件各債権の評価
評価通達205の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、同通達(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、回収の見込みがないか又は著しく困難であると確実に認められる場合をいう。
本件子会社は、継続的に売上を計上し、役員報酬も支払っており、金融機関借入もなく、他の債務の不履行も認められなかった。
これらを総合すると、評価通達205の例外事由に該当するとはいえない。
貸付金債権等の評価について
「評価通達204は、貸付金債権等の価額を元本の価額と利息の価額との合計額により評価することとし、この例外として、評価通達205は、債務者が手形交換所において取引停止処分を受けたとき等、債権金額の全部又は一部の回収が不可能叉は著しく困難であると見込まれるときに限り、それらの金額を元本の価額に算入しないこととしている。貸付金債権等については、一般に公開の取引市場は存在せず、その元本の価額に対する日々の取引価格の変動といったものを把握できないことに加え、企業者に対する貸付金債権等の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるというのは通常とはいえず、その債務者たる企業者において外形上企業活動を継続している限り、すなわち債務者について手形交換所の取引停止処分を受けた場合などの特別の事情が認められない限り、回収可能であるのが一般的であることに照らすと、評価通達204及び205に定める評価方法は、上記(イ)の相続税法第22条に定める「時価」の解釈に沿ったものといえ、いずれも合理性が認められるから、当審判所においても相当であると認められる。
また、評価通逹205は、その(1)ないし(3)の事由のほか、「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」も評価通達204による評価の例外的事由として掲げているが、これが評価通達205の(1)ないし(3)の事由と並列的に定められていることからすると、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、その(1)ないし(3)の事由と同程度に、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、貸付金債権等の回収の見込みがないか、*又は著しく困難であると確実に認められるときをいうものと解すべきである。」
固定資産税等の負債性
仮決算を行った場合との均衡の観点を考慮すると、
直前期末後かつ相続開始日前に固定資産税等が支払われていたとしても、直前期末の資産及び負債に基づいて1株当たりの純資産価額を計算する場合には、当該固定資産税等の税額は負債に含めて計算するのが合理的である。
この点については、原処分庁の判断は採用できない。
「イ 法令解釈等
(イ)評価通達186の(2)は、評価通達185に定める課税時期における1株当たりの純賓産価額の計算を行う場合には、課税時期以前に賦課期日のあった固定資産税の税額のうち、課税時期において未払の金額は負債に含まれる旨を定めているところ、上記の課税時期において未払の固定資産税の税額は、課税時期において現に存する確実な債務であると認められるから、その定めは合理的であり、当審判所においても相当であると認められる。
(ロ) 明細書通達の「取引相場のない株式(出資)の評価明細書の記載方法等」の第5表の2の(4)は、1株当たりの純資産価額の計算について、評価会社が課税時期において仮決算を行っていないため、課税時期における資産及び負債の金額が明確でない場合において、直前期末から課税時期までの間に資産及び負債について著しく増減がないため評価額の計算に影響が少ないと認められるとき
は、課税時期における各資産及び各負債の金額は、直前期末の資産及び負債に係る課税時期の相続税評価額及び帳簿価額により計算しても差し支えない旨を定めているところ、この定めは、課税時期における各資産及び各負債の金額が明確でない場合の合理的な算定方法として、当審判所においても相当であると認められる。」
「ロ検討
(イ)上記イの(11)のとおり、1株当たりの純資産価額の計算については、明細書通達により、一定の場合に、課税時期における仮決算に代えて、直前期末の資産及び負債に基づき計算することができるとされているところ、本件株式の1株当たりの純資産価額を本件評価会社の直前期末の資産及び負債に基づいて計算することについては請求人ら及び原処分庁間に争いがないが、この場合におい
て、本件評価会社が直前期末より後かつ課税時期より前に支払った本件固定資産税等の税額を負債として計上すべきかについて、当事者間に争いがある。
(ロ) この点、評価会社が直前期末より後かつ課税時期(相続開始日)より前に固定資産税等を支払い、相続開始の日において仮決算を行っている場合には、相続開始日における資産の額は直前期末の資産(現金預金)の額から、固定資産税等の税額に相当する分が減少し、これに基づいて1株当たりの純資産価額の計算が行われることになるのに対し、直前期末の資産の額は、固定資産税等の税額に相当する分が減少していないことに鑑みると、1株当たりの純資産価額を評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合に、直前期末において未払の固定資産税等の税額を負債に含めて計算しないと、1株当たりの純資産価額につき仮決算を行って計箕する場合と均衡を欠くことになる。 また、上記1の(3)の口の(二)のとおり、賦課期日が令和2年1月1日である本件固定資産税等について、本件評価会社が納税通知書の発付を受けたのは同年6月1日付であるため、本件評価会社の令和2年5月期(直前期)の貸借対照表に負債として計上されていないが、仮に、納税通知書の発付が直前期末以前であり、本件評価会社の直前期の貸借対照表に負債としての記載があれば、1株当たりの純資産価額の計算において当然に負債に含まれることになるのであるから、本件固定資産税等の税額について、納税通知書の発付の日によって負債として取り扱うか否かが異なるのは相当ではない。
以上によれば、本件評価会社が直前期末において未払であった本件固定資産税等の税額は..、本件株式の1株当たりの純資産価額の計算上、負債に含めて計算するのが合理的である。これに反する原処分庁の主張は、採用できない。
(ハ)したがって、本件株式の1株当たりの純資産価額を本件評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合において、本件固定資産税等の税額は負債に含まれる。」
「(4) 本件株式の1株当たりの評価額について
イ上記(2)のハの(ホ)のとおり、本件各債権の金額の一部は、本件相続開始日において、評価通達205に定める「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。したがって、本件各債権の価額は、評価通達204の定めにより評価すべきところ、上記(2)の口の(ハ)のとおり、本件各債権は無利息であるから、本件各債権の元本の価額によって評価するのが相当である。
口上記(3)の口の(ハ)のとおり、本件株式の1株当たりの純資産価額を本件評価会社の直前期末の資産及び負債に基づき計算する場合において、本件固定姿産税等の税額は負債に含まれる。
ハまた、本件各更正処分における本件株式の類似業種比準価額の計算上の業種目は、「大分類卸売業番号65」であるところ、上記1の(3)の口の(イ)のとおり、本件評価会社の業種は光学レンズの卸売であり、日本標準産業分類の分類項目は「549 その他の機械器具卸売業」に該当すると認められるから、本件株式の類似業種比準価額の計算上の業種目は「中分類機械器具卸売業番号74」、「小分
類その他の機械器具卸売業番号77」に該当する。二以上に基づき、本件株式の類似業種比準価額及び1株当たりの純資産価額を計算すると、それぞれ別表4及び別表5のとおりとなるから、当審判所が認定した本件株式の1株当たりの評価額は、別表6の「1株当たりの評価額」欄のとおり???となり、原処分の額???を上回る。」
結論
以上のとおり、
- 調査手続に重大な違法はない
- 本件各債権の一部が評価通達205の例外に該当するとはいえない
- 固定資産税等は負債に含めるのが合理的である
と判断された。
その結果、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分はいずれも適法とされ、審査請求は棄却された。
