国税庁『査察の概要』とは?令和7年度の告発件数・脱税額と査察の5年トレンド

(公開:2026年7月21日 / 最終更新:2026年7月21日)
本記事は、国税庁が毎年6月に公表する「査察の概要」に基づく解説です。査察に関する数値は、すべて同資料(令和3〜7年度分)に拠っています。個別の事案・税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください。

この記事の結論

「査察」は、国税局査察部(いわゆるマルサ)が悪質な脱税者の刑事責任を追及するために行う犯則調査であり、私たちが通常「税務調査」と呼ぶ任意調査とは制度がまったく異なります

直近の令和7年度は82件を検察庁に告発し、告発した事案の脱税総額は84億円(1件当たり1億200万円)でした。近年は消費税の不正受還付・無申告・国際事案が重点に据えられ、令和7年度はSNSインフルエンサーやイラストレーターなど、デジタル経済の事業者への告発が目立ちました。

一審判決は80件すべてが有罪。最も重い判決は、複数の納税者に脱税スキームを使わせていた脱税指南グループの首謀者に対する懲役6年でした。

そもそも「査察」とは? 税務調査とどう違うのですか?

「査察」とは、国税局の査察部(通称マルサ)が、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及するために行う調査です。国税庁は査察制度の目的を、脱税者を処罰することによる「一罰百戒」の効果を通じて、適正・公平な課税と申告納税制度を守ることにあると説明しています。

ここで重要なのは、査察は、私たちが通常イメージする「税務調査」とはまったく別の制度だという点です。両者は根拠となる法律も、調査の性質も、最終的なゴールも異なります。

査察(犯則調査)一般の税務調査
担当国税局 査察部(マルサ)税務署・国税局の調査部門
性質強制調査(臨検・捜索・差押え。裁判官の許可状が必要)任意調査が中心(質問検査権に基づく)
根拠国税通則法 第11章(犯則事件の調査及び処分)国税通則法 第74条の2以下(質問検査権)
目的・出口検察庁への告発(刑事罰=懲役・罰金)適正な申告の是正(修正申告・更正・加算税)
対象特に悪質・大口の脱税事案申告内容の確認一般
つまり、査察はごく一部の特に悪質な脱税を刑事事件として摘発する仕組みで、件数も年間80〜100件程度にとどまります。日常的に行われる税務調査(是正を目的とする任意調査)とは分けて理解する必要があります。税務調査一般の流れについては「税務調査の通知が来たらどうする?」もあわせてご覧ください。
用語補足:かつて査察(犯則調査)の根拠法は「国税犯則取締法」でしたが、平成29年度税制改正で同法は廃止され、その内容は国税通則法の第11章に編入されました(平成30年4月1日施行)。「マルサ」は査察部・査察官を指す通称です。
令和7年度は何件・いくら告発されたのですか?

令和7年度に国税局が査察に着手した件数は131件、そのうち処理(告発の可否を最終判断)した127件のうち82件を検察庁に告発しました(告発率64.6%)。告発した事案に係る脱税総額は84億円、1件当たり1億200万円にのぼります。

令和7年度の査察事績(ハイライト)

  • 検察庁への告発件数:82件(告発率64.6%)
  • 脱税総額(告発分):84億円(8,390百万円)/1件当たり1億200万円
  • 一審判決:80件すべて有罪、うち6人に実刑判決
  • 最も重い判決:懲役6年(脱税指南グループの首謀者・査察単独事件)

告発件数を過去5年で並べると、次のように推移しています。新型コロナの影響を受けた令和2〜3年度が低水準となり、令和4年度に回復(103件・告発率74.1%は平成18年度以来の高水準)した後、令和5〜7年度はゆるやかに減少しています。

検察庁への告発件数の推移(件)

令和3
75
令和4
103
令和5
101
令和6
98
令和7
82
年度着手件数処理件数告発件数告発率
令和31161037572.8%
令和414513910374.1%
令和515415110166.9%
令和61511509865.3%
令和71311278264.6%

※告発率=告発件数÷処理件数。着手件数は当年度に調査を始めた件数、処理件数は当年度に告発の可否を判断した件数で、着手年度とは必ずしも一致しません。

脱税額(告発分)も見ておきましょう。令和7年度は84億円で、1件当たりで見ると1億200万円と、この5年で最も高くなっています。件数が減る一方で1件当たりの規模が大きくなっており、より大口・悪質な事案に絞り込む傾向がうかがえます。

脱税額(告発分)の推移(億円)

令和3
61億
令和4
100億
令和5
89億
令和6
82億
令和7
84億

※脱税額(告発分)。1件当たりは令和3=8,100万円→令和7=1億200万円。数値は加算税額を含みます。

近年の査察はどんな傾向にありますか?(5年トレンド)

国税庁は毎年、「査察制度の目的に鑑み」重点事案を掲げて取り組んでいます。近年、一貫して柱に据えられているのが消費税事案(特に不正受還付)・無申告事案・国際事案の3つです。5年分の告発件数を並べると次のとおりです。

重点事案(告発件数)令和3令和4令和5令和6令和7
消費税事案2134272923
 うち消費税不正受還付916161712
無申告事案1615161312
 うち単純無申告ほ脱461188
国際事案1725232017
読み取れること
  • 消費税の不正受還付は、いわば「国庫金の詐取」として毎年重点的に告発されています。輸出免税制度や仕入税額控除制度を悪用し、架空の輸出免税売上や架空・過大な課税仕入れを計上する手口が典型です。
  • 無申告事案のうち「単純無申告ほ脱」(不正の工作はないが、故意に申告書を出さずに税を免れる類型)は、平成23年度創設の比較的新しい犯罪類型で、令和5年度には11件と目立ちました。
  • 国際事案では、租税条約等に基づく外国税務当局との情報交換制度を活用し、海外に隠された不正資金や海外法人を使ったスキームを解明しています。
数字の読み方の注意:査察は着手件数自体が年ごとに変動し、母数(年間80〜100件程度)が小さいため、単年の増減で「厳格化した/緩んだ」と断じることはできません。傾向は、各年度に掲げられる重点事案(消費税・無申告・国際など)の設定とあわせて、大づかみに捉えるのが適切です。
どんな業種・手口が狙われているのですか?

令和7年度に告発が多かった業種は、建設業(18者)、卸売業(6者)、不動産業(4者)、運送業(4者)でした。建設業・不動産業は例年上位に並ぶ「常連」です。

一方で令和7年度に国税庁が前面に打ち出したのは、こうした従来型の業種に加えて、SNS等のソーシャルメディアで活動する事業者でした。具体的には、次のような事案が告発されています。

令和7年度に告発されたデジタル経済型の事案(例)

  • 美容系インフルエンサーの活動を通じて広告代理を行う会社が、架空の業務委託費を計上し法人税・消費税を免れていた事案
  • SNS等を利用して主に海外顧客にイラストを販売していた事業者が、海外イベントでの販売収入の一部を申告から除外していた事案
  • 幼児・小学生向けの野球・サッカースクールを全国展開するスポーツ教室の運営会社が、給付金等の雑収入を除外していた事案

脱税の手口としては、例年どおり売上除外架空の原価・経費の計上が中心ですが、令和7年度は海外法人への架空仕入れ海外預金への秘匿といった国際的な手口、消費税では再生資源を輸出する会社が機械装置の課税仕入れを過大に計上して受けた不正受還付なども目立ちました。

税目別に告発件数を見ると、件数のうえでは法人税と消費税が全体の大半を占めています。

税目(告発件数)令和3令和4令和5令和6令和7
所得税919141613
法人税4347594844
相続税02122
消費税(内・不正受還付)21(9)34(16)27(16)29(17)23(12)
源泉所得税21030
合計751031019882

※消費税の( )内は消費税不正受還付事案(ほ脱犯との併合事案を含む)の件数。1者が複数税目で告発される場合があるため、業種の「者数」と税目の「件数」は集計単位が異なります。

脱税で得た資金はどこに消え、どこに隠されていたのですか?

「査察の概要」の中でも特に生々しいのが、脱税で得た不正資金の使い道(費消)隠し場所(隠匿場所)の記述です。令和7年度資料によれば、不正資金の多くは現金や預貯金として留保されていましたが、数千万円規模を個人的な資産形成や費消に充てていた事例もみられました。

令和7年度・不正資金の主な使い道
  • 有価証券等への投資
  • 競馬や海外カジノ等のギャンブル
  • ブランド品等の購入
  • 高級クラブなどでの飲食等の交際費・遊興費
  • アプリを通じた動画配信者やゲームへの課金

隠し場所も多彩です。令和7年度は次のような場所に現金を隠していた事例が報告されました。査察官はこうした現金や、不正に使われた預金通帳などを、家宅捜索によって探し出します。

令和7年度・現金等の隠匿場所(例)
  • クローゼットに置かれた缶の中
  • 居室の棚に置かれた箱の中
  • 室内に置かれたスーツケース及びバッグの中
  • 室内収納に隠された金庫の中
  • (不正に利用した預金通帳等を)クローゼット内の紙袋の中

こうした費消・隠匿の記述は年ごとに変わり、その時々の世相を映します。近年は暗号資産の購入海外カジノ・ネットカジノへの費消、アプリ課金といった、デジタル化・国際化を反映した使途が登場している点も特徴です。

告発されるとどうなりますか? 判決・量刑は?

査察の出口は検察庁への告発です。告発された事案は起訴され、刑事裁判で有罪・無罪と量刑が決まります。「査察の概要」には、その年度中に言い渡された一審判決の状況が載っています。

令和7年度中の一審判決は80件で、すべてが有罪。近年、有罪率はほぼ100%で推移しており、査察が刑事事件として立件される段階で、証拠が固められていることがうかがえます。

年度一審判決件数有罪率実刑判決人数1人当たり懲役月数(※)
令和3117100.0%515.7
令和461100.0%313.6
令和583100.0%915.6
令和699100.0%1315.7
令和780100.0%616.1

※1人当たり懲役月数は、他の犯罪との併合事件を除いて集計した数値です。

令和7年度に最も重い判決を受けたのは、脱税指南グループの首謀者に対する懲役6年(査察単独事件)でした。複数の納税者と共謀し、自身が主宰する法人に架空経費を計上させるなどの方法で、多額の法人税・所得税等を免れさせていた事案です。他の犯罪と併合された事件では、架空外注費で法人税等を免れた者に懲役4年(詐欺との併合罪)が言い渡されています。

脱税そのものだけでなく、「脱税をそそのかす側」=脱税指南(脱税請負人)が重く処罰される流れは近年の特徴です。令和5年度にも「脱税のための虚偽経費計上スキームを『節税』とうたって広く納税者に使わせていた」脱税請負人事案が告発されており、スキームの提供者自身が刑事責任を問われるケースが続いています。

なお、査察(刑事事件としての摘発)と、通常の税務調査で行われる実地調査とは規模感が大きく異なります。たとえば法人税等の実地調査による追徴税額は年間で数千億円規模にのぼります(この点は「AIが法人税務調査を変えた(追徴税額3,811億円)」で扱っています)。査察は、その中でも特に悪質な一部を刑事事件として立件する制度だと位置づけると、全体像が見えてきます。

年度別・注目事案アーカイブ

国税庁が各年度の「査察の概要」で公表した告発事案のうち、代表的なものを年度別にまとめます。手口の傾向が年ごとにどう移り変わるかが読み取れます。たとえば消費税の不正受還付には、輸出偽装を用いる輸出免税型と、架空の課税仕入れを積み増す仕入税額控除型があり、いずれの手口も近年繰り返し登場します。新しい年度を上に追加していきます。件数・脱税額の推移は前掲のQ2・Q3を、量刑の全体像はQ6をご覧ください。

📌 令和7年度(2025年度)の注目事案

【時流事案/SNS】SNS等で活動するインフルエンサーやイラストレーター等の事業者を重点的に告発。美容系インフルエンサーの広告代理を行う会社が架空の業務委託費を計上して法人税・消費税を免れた事案や、海外顧客にイラストを販売していた事業者が海外イベントでの販売収入を除外して所得税を免れた事案など。

【幅広い業種業態】幼児・小学生向けの野球・サッカースクールを全国展開する会社が、国からの給付金等の雑収入を除外し、架空の施設利用料も計上して法人税を免れた。農業用ため池の太陽光発電設備を販売する会社が売電権利の譲渡収入を除外した事案(代表者個人の所得税も無申告)なども告発。

【国際事案】SNS等で人気の日用品輸入販売会社が海外法人への架空の輸入仕入れを計上して法人税を免れた。営業コンサルタントの複数グループ会社が架空の仕入れで得た資金を海外預金に秘匿して法人税・消費税を免れた。租税条約等に基づく情報交換制度を活用。

【消費税・不正受還付】廃プラスチック等の再生資源を輸出する会社が、過去に海外から取得した機械装置を国内業者から過大な金額で取得したように装い、課税仕入れを過大に計上して不正に消費税の還付を受けた(仕入税額控除制度の悪用)。

【量刑】複数の納税者に脱税スキームを利用させていた脱税指南グループの首謀者に、査察事件単独で最も重い懲役6年の実刑判決。詐欺との併合罪では懲役4年。

📌 令和6年度(2024年度)の注目事案

【消費税・不正受還付(輸出免税型)】高級腕時計を海外へ輸出販売したように装うため、安価な腕時計を用意して高価な腕時計を購入したとする領収証や輸出関係書類を作成し、架空の課税仕入れと架空の輸出免税売上げを計上して、消費税の還付を受け、又は受けようとした。

【消費税・不正受還付】不動産賃貸業を営むグループ法人7社が、架空の金地金取引により課税売上割合を偽装し、居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除を過大に計上して還付を受けようとした。

【無申告】動画配信サイトの運営会社からの使用料収入やネットショップでの販売収入があったにもかかわらず、所得税の確定申告書を提出しないまま所得税を免れた。

【国際事案】海外法人が運営する医薬品等のインターネット販売事業に係るコンサルティング報酬を、売上げから除外して海外預金口座に留保し、所得税を免れた(同年度の国際事案では租税条約等に基づく情報交換制度を活用)。

【社会的波及効果】人気タレントが所属する芸能事務所が、架空の広告宣伝費や外注費を計上して法人税・消費税を免れた。税理士である脱税請負人が、架空外注費の計上先となる不正加担先を用意して顧客に脱税を指南した事案も告発された。

【量刑】輸出免税制度を悪用した不正還付に懲役2年6月(査察事件単独で最も重い)。詐欺等との併合罪では懲役9年の実刑判決が言い渡された。

📌 令和5年度(2023年度)の注目事案

【消費税・不正受還付】同一の高級腕時計のシリアルナンバーや、不正に入手したパスポートの写しを用いて書類を偽造し、架空の課税仕入れと架空の輸出免税売上げを計上して、消費税の還付を受け、又は受けようとした。

【無申告】アフィリエイト事業で収入を得ていたにもかかわらず、虚偽のコンサルティング契約書を用意して所得を隠し、法人税の確定申告書を提出せず免れた(出版社からの原稿料・印税収入の所得税無申告事案も告発)。

【国際事案】虚偽の株式譲渡契約書を作成し、自己が所有する未公開株式を自ら主宰する海外法人へ譲渡したと装って、譲渡収入の一部を海外法人の収入とすることで所得税を免れた(同年度の国際事案では租税条約等に基づく情報交換制度を活用)。

【社会的波及効果】脱税請負人が、脱税のために虚偽の経費を計上するスキームを「節税」とうたって、広く納税者を勧誘して利用させていた。

【量刑】輸出物品販売場(ドラッグストア)で外国人旅行者への販売を装った不正還付で、法人の代表者に懲役4年(査察事件単独で最も重い)・不正加担者に懲役3年。詐欺・業務上横領等との併合罪では懲役6年。

📌 令和4年度(2022年度)の注目事案

【消費税・不正受還付】輸出物品販売場を悪用。不正加担者と共謀し、化粧品等を仕入れて外国人観光客に販売したかのように装い、架空の課税仕入れと架空の免税売上げを計上して還付を受け、又は受けようとした。

【消費税・不正受還付】パワーストーンの仕入れを装って架空の課税仕入れを計上する不正受還付スキームを利用。スキームを考案した指南者も併せて告発した。

【社会的波及効果】市場が拡大するトレーディングカードの販売業者が、取引事実のない虚偽の領収書を作成して架空の仕入高を計上し、法人税を免れた。

【社会的波及効果】SNSを利用して多数の給与所得者を勧誘し、架空の事業所得の損失で損益通算させて所得税の不正還付を指南(虚偽の還付申告書を提出させた指南者を告発)。

【国際事案】外国法人を利用した大規模事案。架空の支払手数料の計上や、暗号資産を取引所で譲渡した取引の主体を外国法人に仮装する方法などで、法人税・所得税を免れた。

【量刑】査察事件単独で最も重いのは懲役1年4月(多数の他人名義でのFX取引による無申告ほ脱の再犯者)。併合罪の最重は懲役2年8月。

📌 令和3年度(2021年度)の注目事案

【消費税・不正受還付】愛玩用動物のイベントを企画・開催する会社が、架空の課税仕入れを装って控除対象仕入税額を過大に計上し、不正に消費税の還付を受けた(保留分は未遂犯として告発)。

【消費税・不正受還付(輸出免税型)】化粧品等の国内取引を輸出取引に仮装(在留外国人の代表者が、国内の取引業者への販売を輸出免税売上げに偽装)して還付を受けようとした。

【無申告】太陽光発電設備工事の請負会社が、売上げの一部を他社名義の預金口座に振り込ませ、内容虚偽の帳簿を作成するなどして所得を秘匿し、法人税・消費税を無申告で免れた。

【国際事案】不動産等の販売会社が海外法人を利用し、架空の経費を複数の海外口座を経由して代表者管理の海外口座に還流させる不正スキームで法人税を免れた(情報交換制度を活用)。

【社会的波及効果】学校法人の元理事長が、取引業者等から現金で受領したリベート収入を申告から除外して所得税を免れた。

【量刑】査察事件単独で最も重いのは懲役2年、併合罪の最重は懲役9年。金地金の輸出販売を装った不正還付では、法人の代表者に懲役1年8月の実刑判決。

🏛️ 参考:制度適用の画期となった過去の事案(令和元・2年度)

【令和元年度・初適用】国外財産調書の不提出犯を初適用。海外預金に係る国外財産調書を正当な理由なく提出しなかった者を、所得税のほ脱犯と併せて告発した。

【令和2年度・全国初】全国初の告発となった暗号資産事案について有罪判決。ビットコイン等の取引で得た利益を申告から除外して所得税を免れていた者に、懲役1年・執行猶予3年・罰金1,800万円。

【令和2年度・全国初】法人税法違反の幇助犯(査察事件単独・再犯者)に全国初の実刑判決(懲役10月)。他社の脱税を助けた協力者の刑事責任を追及した。

まとめ

この記事のポイント

  • 査察(マルサ)は、悪質な脱税者の刑事責任を追及する犯則調査で、任意調査中心の一般的な税務調査とは制度が別物。出口は検察庁への告発。
  • 令和7年度は82件を告発、脱税総額(告発分)84億円。件数は令和4以降ゆるやかに減少しているが、1件当たりの脱税額は5年で最大(1億200万円)。
  • 重点は消費税不正受還付・無申告・国際事案。令和7年度はSNSインフルエンサー・イラストレーターなどデジタル経済型の事案が前面に。
  • 一審判決は80件すべて有罪。最重は脱税指南グループ首謀者への懲役6年で、「脱税をそそのかす側」への重罰が続く。
  • 不正資金は有価証券・ギャンブル・ブランド品・アプリ課金などに費消され、缶・スーツケース・金庫などに隠されていた。

「査察の概要」は国税庁が毎年6月に公表する定例資料です。本記事は最新年度の公表にあわせて数値を更新していきます。

本記事は概要です。今後、書籍・雑誌記事・セミナーにおいて、詳細な解説や税理士向けの実務上の注意点についても取り上げる予定です。
出典:国税庁「令和7年度査察の概要」(令和8年6月)ほか各年度「査察の概要」。
令和7年度版(PDF):https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2026/sasatsu/r07_sasatsu.pdf
一覧:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2026/sasatsu/index.htm
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